問題解決とは

 そもそも「問題」とは、目標とする基準(期待)値と、現状とのギャップのことをいいます。
その人がギャップを認識すれば、問題意識が芽生え、基準値と現状とのギャップがなくなれば、問題意識は消えて無くなります。つまり、「問題解決」とは、基準値と現状とのギャップを埋めて、現状を基準値の水準まで引き上げることになります。

 問題意識の高い人は、現状よりも高い目標を持っているため、現状を問題と捉えます。他方、問題意識の低い人は、目標と現状水準が一致しているため、このままでいいと捉えます。

問題解決3つの種類

問題解決には3つの種類があります。

・トラブル解決(守りの問題解決)

マイナスをゼロに引き戻す。現状回復なので、消極的なアプローチ。

・改善(発見型の問題解決)

現状の枠組みの中で問題を発見する発見型の問題解決。目標となる基準値を新しく定める積極的なアプローチ。

・改革(作り出す問題解決)

現状のしがらみにとらわれないで大胆に目標設定して現状打破を目指すもの。最も問題意識が高く、積極的なアプローチ。つくる問題解決。

改善と改革は繰り返し行う必要があります。改革をしても、改善を継続しなければ真の効果は得られません。

あるべき姿(目標設定)を描く

・ビフォー(前)アフター(後)の目

現状を適切に把握するために、「ビフォー(前)アフター(後)の目」で分析する方法があります。まず、過去と現在を比較します。過去と現在の状態は、把握可能です。過去どのような状態で、どのような環境で、どのようなことが起きたから、現在に至っているのか、それを分析します。次に、現在と未来を比較します。現在は把握可能ですが、未来は把握できません。しかし、過去〜現在の分析から、どのような環境で、どのようなことが起きれば、どのような状態になるか予想をすることができます。この方法から、あるべき姿(目標設定)を描くことが可能です。

・あるべき姿(目標設定)と現状認識を確認

組織の場合は、あるべき姿(目標設定)を描いて終わりではありません。あるべき姿(目標設定)と現状認識を、関係者で確認しあう必要があります。あるべき姿が定量化されていれば、目標はより明確になります。
もっとも、現状の捉え方は人それぞれです。ゴールは同じでも、スタート地点が異なると、アプローチ方法も異なります。組織が目指すべき姿を明確にし、関係者が進むべきアプローチを理解した上で、合意を取ることがあるべき姿(目標設定)を実現するためには必要不可欠となります。