2020年4月12日 / 最終更新日 : 2020年4月12日 godaoffice 職場トラブル 職場恋愛を理由に•••はできる? 現在、社内の男性と付き合っています。しかし、会社の社長は職場恋愛に否定的らしく、前回の人事考課で評価を下げられてしまいました。私たちは今後、どのように対応すべきでしょうか。よろしくお願いします。 Follow me! FacebooktwitterHatenaPocket “職場恋愛を理由に•••はできる?” に対して1件のコメントがあります。 リーガルチェック より: 2020年4月12日 3:22 PM まず、今回人事考課によりあなたの評価が下がったことについては、会社に対して処分の取り消しや賃金が下げられたのであれば、その差額分を請求できます。 理由は以下になります。 そもそも、恋愛自体は個人の自由意思によって行われるものである以上、企業がこれを規制することはできません。仮に単なる恋愛ではなく不倫であっても、個人の自由な意思によって行われている以上、企業も当事者間に立ち入る問題ではありません。 また、企業ポリシーによっては社内恋愛を禁止しているところもありますが、実際に社内恋愛している従業員がいたとしても、これに対して懲戒処分を行うことはできないと考えられます。 もっとも、恋愛関係にあることをきっかけに、その者だけに仕事を与える、高評価を与えるなど、公私混同(=えこひいき)するような状態になれば、注意・指導の対象になり、周囲の従業員に対してのハラスメントにも該当した結果、懲戒処分に発展する可能性はあります。 また、恋愛がうまくいかなくなった場合には別のトラブルに至るケースもあります。 例えば、お互いが気まずくなり、指揮命令や管理がうまくいかず生産性が落ちてしまうことや、別れ方を不満に思った一方からセクハラをされていたなどと訴えてくることもあります。そうなれば、企業としても実態を調査して、必要があれば懲戒処分も検討する可能性はあります(もっとも、多くの場合は恋愛関係にあり、合意のもと行われていた可能性が高いため、セクハラと評価するのは困難)。 あなたの状況について詳しくわかりませんが、懲戒処分にあたるような事情がないのであれば、会社は社内恋愛を理由にあなたを不利益に扱うことはできません。 参考までに、会社が社内恋愛や社内不倫で処分する場合、就業規則上の「素行不良」や「職場の風紀・秩序を乱した」を持ち出し交渉してくる場合がほとんどです。 ここにいう、「職場の風紀・秩序を乱した」とは、判例においても、会社の企業運営に具体的な影響を与えるものに限定しています(旭川地判平成元年12月27日(労判554号17頁・判時1350号154頁))。その判断基準は、両人の社内での地位、職務内容、交際の態様、会社の規模、業態等で、これらを加味して判断されることになります。 したがって、例え就業規則を持ち出されたとしても、会社の企業運営に具体的な影響を与えるものでないのであれば、あなた方が気を使う必要はなく、会社としては不利益に扱うことできないということになります。 ■解決力 もっとも、これは建前で、現実としてそのまま、今の会社で相手の方と公にお付き合いを続けていくのは仕事にも支障が出るかもしれません。他には気付かれないようにお互いで調整するのも1つ、前述の意見については、裁判になっても主張できる内容ですから、これを楯に上司に意見を投げかけるのも1つ、転職をしてでも不当評価と戦うというのも1つだと思います。今の状況を踏まえてパートナーの方と検討されてみてはいかがでしょうか。 返信 コメントを残す コメントをキャンセルメールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目ですコメント 名前 * メール * サイト 次回のコメントで使用するためブラウザーに自分の名前、メールアドレス、サイトを保存する。
まず、今回人事考課によりあなたの評価が下がったことについては、会社に対して処分の取り消しや賃金が下げられたのであれば、その差額分を請求できます。
理由は以下になります。
そもそも、恋愛自体は個人の自由意思によって行われるものである以上、企業がこれを規制することはできません。仮に単なる恋愛ではなく不倫であっても、個人の自由な意思によって行われている以上、企業も当事者間に立ち入る問題ではありません。
また、企業ポリシーによっては社内恋愛を禁止しているところもありますが、実際に社内恋愛している従業員がいたとしても、これに対して懲戒処分を行うことはできないと考えられます。
もっとも、恋愛関係にあることをきっかけに、その者だけに仕事を与える、高評価を与えるなど、公私混同(=えこひいき)するような状態になれば、注意・指導の対象になり、周囲の従業員に対してのハラスメントにも該当した結果、懲戒処分に発展する可能性はあります。
また、恋愛がうまくいかなくなった場合には別のトラブルに至るケースもあります。
例えば、お互いが気まずくなり、指揮命令や管理がうまくいかず生産性が落ちてしまうことや、別れ方を不満に思った一方からセクハラをされていたなどと訴えてくることもあります。そうなれば、企業としても実態を調査して、必要があれば懲戒処分も検討する可能性はあります(もっとも、多くの場合は恋愛関係にあり、合意のもと行われていた可能性が高いため、セクハラと評価するのは困難)。
あなたの状況について詳しくわかりませんが、懲戒処分にあたるような事情がないのであれば、会社は社内恋愛を理由にあなたを不利益に扱うことはできません。
参考までに、会社が社内恋愛や社内不倫で処分する場合、就業規則上の「素行不良」や「職場の風紀・秩序を乱した」を持ち出し交渉してくる場合がほとんどです。
ここにいう、「職場の風紀・秩序を乱した」とは、判例においても、会社の企業運営に具体的な影響を与えるものに限定しています(旭川地判平成元年12月27日(労判554号17頁・判時1350号154頁))。その判断基準は、両人の社内での地位、職務内容、交際の態様、会社の規模、業態等で、これらを加味して判断されることになります。
したがって、例え就業規則を持ち出されたとしても、会社の企業運営に具体的な影響を与えるものでないのであれば、あなた方が気を使う必要はなく、会社としては不利益に扱うことできないということになります。
■解決力
もっとも、これは建前で、現実としてそのまま、今の会社で相手の方と公にお付き合いを続けていくのは仕事にも支障が出るかもしれません。他には気付かれないようにお互いで調整するのも1つ、前述の意見については、裁判になっても主張できる内容ですから、これを楯に上司に意見を投げかけるのも1つ、転職をしてでも不当評価と戦うというのも1つだと思います。今の状況を踏まえてパートナーの方と検討されてみてはいかがでしょうか。